ボードゲームは特恵を与える(*^v^*)

ボードゲーム(主にBoard Game Arena)に関する記事を書いていく予定です

十二季節の魔法使い(Seasons)未経験者の方へのルール解説

http://www.hoodedhawk.com/blog/seasons-board-game/
十二季節の魔法使いの実物の画像。もちろんネット対戦では手に触れることはできないが、その代わり "無料で" 手軽にいつでも対人戦ができる。

BGA(Board Game Arena。様々なオンラインゲームが遊べるサイト)のボードゲームの一つ、十二季節の魔法使い(英語名: Seasons)を未経験者の方向けにわかりやすく解説します。

枝葉の部分は極力切り落とし、ルールの幹となる部分を中心に書いております。なので細かいルールについては書いていませんが、まずはゲームの大まかなイメージを持ってもらって詳しい部分はゲームを見ながら/やりながら知る、というのが読む側にとって一番楽なのではないかと思っております。

なお、正確性よりわかりやすさを重視した部分もあります。ルールをすでにご存じの方はその点をご了承ください。

それと、これは Board Game Arena というサイトでプレイする方向けの解説です。実物プレイだと分かりにくい部分もあるかもしれません。

十二季節の魔法使いにおける世界観

あなたはとある世界の魔法使いです。

魔法を使うことによって、魔法の物体や魔法の生き物を召喚することができます。

また、様々な手段を用いて、この世界において貴重な物質である【クリスタル】を生成することもできます。

ゲームで与えられた期間は3年、つまり春夏秋冬×3 = 12回の季節が経過するまで。

その間に多くの魔法の物体や魔法の生き物を召喚したり、クリスタルを多く得たりして、最も偉大な魔法使いとなることを目指しましょう。

http://www.weird-girls.com/wp-content/uploads/2014/02/seasons-featured-detail.jpg
最も偉大な魔法使いになることを目指そう。

ゲームの大まかな流れ

この十二季節の魔法使い(英語名: Seasons)はカードを使うゲームです。

召喚できるものは、全てカードになっています。

http://boardgamecube.com/blog/?p=24954
実物のカード。実際は数十種類のカードがあり、それらが有機的に絡み合ってこのゲームの戦略性は増しているのだ。

各プレイヤーはそれぞれ、自分の手番にコストを払って手札からカードを召喚することができます。
カードを召喚すると、例えばクリスタルを得たり、山札からカードを引けたりします。
2枚以上召喚することもできますし、何も召喚しなくても構いません。
召喚したカードは、下の画像のように自分の場に置かれます。

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手札からカードを召喚すると、自分の場にそのカードが置かれる。

全員の手番が1周終わったら、時計(下の画像)が進みます。
現実世界の時計に書かれている数値は今が何時かを表しますが、この時計では今が何月かを表します。この画像では7の部分に黒い立方体が置かれているので、現在は7月です。
時計は、ゲームの最初は1月からスタートします。この時計は1周で1年なので、黒い立方体が3周、つまり3年が経過したらゲーム終了となります。

http://boardgamegeek.com/camo/1fd82f075d362f2713cec3ff4ca2f26f8ee8cd5a/687474703a2f2f322e62702e626c6f6773706f742e636f6d2f2d4c3639533146516a4d62772f5542686f7831534f5076492f41414141414141414179512f4a666c425149482d6f50672f73313630302f706963332b736561736f6e732e706e67
時計の図。時間は時計回りに進んでいく。

時計が進んだら、またそれぞれの手番が回ってきます。つまり、

それぞれ手番が回ってくる→時計が進む→それぞれ手番が回ってくる→時計が進む→…

の繰り返しとなります。

時計が3周、つまり3年が経過した時点で自分の【勝利点】を計算します。勝利点とは、自分が持っているクリスタルの個数と、自分の場に出ているカードの左上に書いてある数字全てを合計したものです。
勝利点が一番大きいプレイヤーが勝利となります。

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上の画像は自分が持っているクリスタルの個数、下の画像はカードの左上に書いてある数字。 上の画像のプレイヤーはクリスタルを58個持っている。 下の画像のカード左上の数字は6である。 ちなみに下のカードの文章は外国語だが、実際はすべて日本語化されているので安心してほしい。

詳しい説明

カードを召喚するには?

カードを召喚するには、下の2つの条件を両方とも満たす必要があります。

  • カードに書かれている召喚コストを払うこと
  • 召喚するスペースに空きがあること

仮に召喚コストが払えたとしても空きスペースがなければ召喚できない、というのがこのゲームの特徴の一つですね。

それでは順に解説していきます。

召喚コストとは?

カードのイラストのすぐ下に召喚コストが書かれています。

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召喚コストとしてクリスタルが3つ必要なカード。このカードの文章も外国語だが、実際は(以下略)

上のカードのように黒い炎のようなマークがある場合、召喚にクリスタルを払う必要があります。このカードではマークの中に3という数値が書かれているので3個のクリスタルが必要です。

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召喚コストとして魔力トークンと呼ばれるものが3つ必要なカード。このカードの文章も外国語(ry

上のカードのように色のついた丸いアイコンが書かれている場合は、【魔力トークン】と呼ばれるものが必要です。魔力トークンはゲーム中に様々な手段で得ることができます。

魔力トークンには下の4種類があります。

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4種類の魔力トークン。これで魔力トークンは全種類である。

左から順に、赤いのは大気トークン、青いのは水トークン、黄色いのは炎トークン、緑色なのは大地トークンと呼ばれます。
炎トークンは赤色でないことに注意してください。

先ほどのカードの画像には、水トークン(青色)が1個、大気トークン(赤色)が2個書かれていますので、召喚するにはこれら3個のトークンを払う必要があります。

別の種類のトークンで代用したりすることはできません。

召喚するスペースの空き、とは?

召喚するスペースの空きは、自分の場にある薄い白枠で表されます。

例えば下の画像の場合、上3人のプレイヤーの場は薄い白枠があるので召喚するスペースに空きがあります。いっぽう一番下のプレイヤーの場は、薄い白枠がなく召喚するスペースに空きがないため、このままではこれ以上カードを召喚できません。

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とある4人戦の一場面におけるカードの場。一番下のプレイヤーは薄い白枠が余っていないため、このままではこれ以上カードを召喚できない。

カードを召喚すると、カード1枚分のスペースが消費され、空きスペースが減ります。

召喚するスペースのことをこのゲームでは【召喚ゲージ】といいます。こちらも魔力トークンと同じく様々な手段で増やすことができます。

カードを召喚する条件のまとめ

もう一回まとめると、カードを召喚するには下の2つの条件を両方満たす必要があります。

  • カードに書かれている召喚コストを払うこと
  • 召喚するスペース(召喚ゲージ)に空きがあること

特に初めのうちは、召喚ゲージの確保をうっかり忘れてカードを召喚できない、ということがありがちだと思うので気をつけましょう。

カードの効果に歯車のマークが書かれている場合

カードによっては、下の画像のように歯車のマークが書かれているものがあります。

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このカードには赤丸で囲った部分に歯車のマークが書かれている。

歯車のマークが書かれている効果は、自分の手番が回ってくるたびに1回まで発動できます。発動するにはそのカードを自分の場に出している状態でクリックしてください。

このように、歯車のマークが書かれている効果を発動することを【活性化】といいます。

当然ですが、歯車のマークが書かれていないカードは活性化できません。また、歯車のマークがあっても自分の場に出していなければ活性化できません。

できるだけ何回も活性化したいカードがある場合は、自分の手番で活性化し忘れないように気をつけましょう。私もよく活性化し忘れてしまいます…。

ダイスを取るステップ

先ほどの "ゲームの大まかな流れ" という項目で、ゲームの流れは下のようだと説明しました。

それぞれ手番が回ってくる→時計が進む→それぞれ手番が回ってくる→時計が進む→…

実はこれには説明を省略していたステップがあります。それは、ダイスを取るステップです。このステップでは各プレイヤーがカードを山札から引いたり、クリスタルや魔力トークンを得たり、召喚ゲージを増やしたりできます。

ダイスを取るステップは、"それぞれ手番が回ってくる" のステップの前に行われます。

つまり正しくはこんな流れになるわけですね。

ダイスを取るステップ→それぞれ手番が回ってくる→時計が進む→ダイスを取るステップ→それぞれ手番が回ってくる→時計が進む→…

この説明を見ると「ダイスって普通振るものじゃないの?ダイスを取るってなんだよ(哲学)」という違和感を覚えるかもしれません。なので少し詳しく説明します。

オンライン対戦ではなく実物を使う十二季節の魔法使いでは、このステップでは下のことを行います。

  1. 誰か適当な人がダイスを複数個(2人プレイなら3個、3人プレイなら4個、4人プレイなら5個)同時に振る
  2. 各プレイヤーは順にダイスを1個ずつとっていき、その出目によって魔力トークン等を得る

つまり、ダイスを振る→順番に1個ずつ取る といった流れになります。BGA だと自動的にダイスを振ってくれるので1が省略されて、プレイヤーが行うのは2のダイスを取るだけになる、ということです。

http://www.theboardgamefamily.com/2014/03/blast-saltcon/
実物のダイス。4色×5個 = 計20個のダイスが付属している。

ダイスの出目は BGA の画面では下の画像のように表示されます。

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とある4人戦の一場面におけるダイスの出目。プレイヤーは順にダイスを一個ずつ取っていき、ダイスに書かれた効果を得る。

得られる効果は書かれている数字や記号で表現されています。

最初は数字や記号を見ただけでは何がなんだか分からないと思いますが、BGA では親切なことにマウスカーソルを合わせるとその出目の効果が文章で出てきます。最初はこれを見るといいでしょう。

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ダイスにカーソルを合わせると説明が出る。よくわからなければ、とりあえずカードを引くものや召喚ゲージを上げるものを優先して取っていくといいだろう。 ちなみに "このダイスの全ての面" の部分は "悪意のダイス" というカードを使う/使われそうなとき以外は無視していい。

(ちなみに出目の中には「このターンに変転できる」という効果を持つものがありますが、変転についてはすぐ下で説明します)

変転について

【変転】とは、魔力トークンをクリスタルに変換することです。

変転は自分の手番なら常にできるというわけではありません。変転を行うには、例えばダイスを取るステップで「このターンに変転できる」と書かれた出目を取ったりする必要があります。

変転が可能な間は、魔力トークンを何個でも変転できます。

魔力トークン1個を変転することで得られるクリスタルのレートは、季節ごとに変わります。

時計を見ると現在のレートがわかります。現在の季節を見て、一番外側に書かれているトークンはクリスタル1個、真ん中のトークンはクリスタル2個、一番内側のトークンはクリスタル3個に変換できます。

つまり、内側に書かれているトークンほど変転すればお得ということですね。

http://boardgamegeek.com/camo/1fd82f075d362f2713cec3ff4ca2f26f8ee8cd5a/687474703a2f2f322e62702e626c6f6773706f742e636f6d2f2d4c3639533146516a4d62772f5542686f7831534f5076492f41414141414141414179512f4a666c425149482d6f50672f73313630302f706963332b736561736f6e732e706e67
例えばこの状態だと変転レートは、火(黄)と大地(緑)のトークンではクリスタル1個、水(青)のトークンでは2個、赤(大気)のトークンでは3個となる。

初期手札の決め方

もし全員の初期手札が0枚でゲームを開始するとものすごく退屈になるので、よくあるカードゲームと同様、ゲームの最初に各プレイヤーには初期手札が渡されます。

初期手札は、各プレイヤーが1枚ずつカードを取っていくという形で決定します。これからその具体的な説明をします。

まず、プレイヤー全員にそれぞれ9枚のカードが渡されます。プレイヤーはそれぞれその中から自分の欲しいカードを1枚取り、残りを隣の人に渡します。次に、隣から回ってきた8枚の中からまた1枚取って隣に回します。これを繰り返して、選んだ9枚があなたの初期手札となります。

この9枚のカードを得る行為を【ドラフト】といいます。

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とあるゲームにおけるドラフトが始まった直後の画像。プロ野球の監督になったつもりで、自分が使いたいと思ったカードからドラ1指名していくと楽しいかもしれない。

次に、各プレイヤーはドラフトで得た9枚のカードを3枚ずつ3セットにわけます。1セット目は1年目が始まったとき(つまり開始してすぐ)、2セット目は2年目が始まったとき、3セット目は3年目が始まったときに補充されます。

最初は、「ドラフトでカードをさあ選べと言われても、どのカードが強いのかさっぱりわからない!」となると思います。自分の勘を信じて選んでいくのもいいですし、例えば下のサイトのように全カードの強さを説明しているところを参考にしてみるのもいいかと思います。

個別カード感想 Gryith

ちなみに BGA にはドラフトを行わないというルールも用意されています(が、ほぼ全てのゲームはドラフトありで行われます)。

まとめ

最後に、全体のゲームの流れをまとめます。

  1. ゲーム開始。
  2. 各プレイヤーはドラフトにより初期手札を選び、1年目に補充するカード、2年目に補充するカード、3年目に補充するカードの3セットにわける。
  3. 各プレイヤーは順にダイスを1個ずつ取る。
  4. 各プレイヤーは順に手番を行う。
  5. 時計が進む。3年が経過するまで、3~5を繰り返す。
  6. 各プレイヤーは勝利点を計算し、一番勝利点の大きいプレイヤーが勝利。勝利点はクリスタルの個数と場に出したカードの左上に書いてある数値の合計。

これで解説は終わりです、お疲れ様でした!

ただし冒頭でも書きましたが、枝葉の部分の説明は極力カットしております。カットした解説は別記事に書きましたので、もしそちらについても知りたい場合は読んでみてください。

解説を読んだけど、何かしっくりこない…

実際にプレイしてみるのが理解への一番の近道です!

未経験だから最初は観戦したいという方をよく見かけますが、見るだけだと何をやっているのかよくわからなくてつまらないのではないかと思います。

何十分もかけて詳しいルールを調べて頭が混乱するくらいなら、実際にプレイして試行錯誤しつつ覚えたほうが楽しいですよ。

「失敗は成功のもと」という言葉がありますが、実際にプレイすれば多くの失敗をすると思います。この言葉によれば、失敗をすればするほど人間は学ぶわけですから、上達のスピードも速くなります。

というわけで未経験でもお気軽にスレに来て、一緒に十二季節をプレイ、しよう!(直球)

最後に

(ここからは身内の話になります)

最後になりましたが、今までせっかくスレに来ていただいたのにゲームの内容がよくわからなくて抜けてしまった方、申し訳ありませんでした。

今まで未経験者への配慮が足りなかったことも考えられますが、根本的な原因は何かというと、ルールがよくわからないというほぼ一点に尽きるのではないかと思います。スレに部屋のURLだけ貼られたりしても困りますよね。

この解説が、十二季節の魔法使いが未経験な方々の不安を取り除く助けになることを願っております。